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職人であり現在会長である土田 直さんが15歳で漆塗りの道に入り、
昭和37年に独立。その後、店名を改めひらいたのが「土直漆器」です。
土直漆器がある福井県鯖江市は、越前漆器の産地として発達。
椀のもととなる木工による素地づくりを専門とする工房があるなど、
いまでも地域全体で分業体制が確立しています。

荒木地と呼ばれる、漆を塗る前の最初の状態

土直漆器では、それぞれの工程に専門の職人をおいて1工程、1工程、
丁寧に仕上げていきます。 なかでも重要な工程が下塗。
上塗の前に行う塗りのことを指しますが、
商品によって下塗の回数も異なるほど、気をつかうところです。
下塗をきちんとすると、丈夫で堅牢な漆器に仕上がります。
その後、商品と漆の密着をよくするため「研ぎ」を経て、最後に「上塗り」をします。

下塗りの様子

上塗りの様子

また漆は天然の塗料ですので、温度、湿度などの変化で乾き方が変わるため、
「塗り」ひとつをとっても、長年の経験と知識が求められます。
2〜3年で上達する方もいれば、なかには10年以上かかる方もいるそうです。
厳しい練磨を重ねてきた土直漆器の職人技は、
これまでの伝統を重んじつつも、
自由な発想で新しいものづくりにチャレンジしていきます。

土直漆器がつくった、鯖江市の学校給食用のお椀