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石川県を代表する伝統工芸品、山中漆器。
その歴史は安土桃山時代まで遡り、現在の加賀市山中温泉の真砂という集落に
越前から木地師の集団が移住し、この地に挽き物の技術が伝えられたと言われています。
そんな山中漆器の技術の真骨頂は、やはりろくろ挽き。
熟練の職人による緻密な技術は、木目の間が透けて見える“薄挽き”や、
わずか5ミリの間に十数本の細い線を均等に挽く“千筋”、
鉋のしなりを生かし、細く長く流すようにして挽く“稲穂筋”など
繊細な技巧や文様を可能にしているのです。

明治38年創業の「漆工房 大島」では、輸入再加工品や樹脂アイテムを扱わず、
木の特性を生かした山中産木製漆器のみを製作。
「使いやすくて飽きのこない、普段使いの器づくりを心がけています」
というのは4代目の大島太郎さん。
山中漆器の特徴を生かしたシンプルなデザインの器は
日々愛用したい魅力にあふれています。
またこちらの商品は、1点1点すべてにオリジナルの栞をつけて
何の木をどのように木取りし、誰が挽き、
どんな技法で誰が作業し、誰がつくった箱に入っているかを明記。
そこには商品に対する大きな自信と愛情、
そして使う人への責任と思いやりがひしひしと感じられます。