気仙沼の港町の風を心の片隅に感じるものづくり
いまだ東日本大震災の爪あとが色濃く残る港町、気仙沼。
「MAST帆布 KESEN-NUMA」は、この気仙沼に
宍戸正利さんが創業した、帆布バッグ工房です。
宍戸さんはもともと、お父さんが創業した
船のカバーなどを扱う「菅原シート店」で働いていました。
小さなころからミシンと生地に囲まれた環境で育った宍戸さんは
ものづくりが大好きで、2009年6月に独立し
港に近い場所にミシン1台と生地台ひとつを持ち込み、
ひとりで帆布バッグをつくる工房「MAST帆布」を設立。
しかし震災の折に工房は流失。
その後、1年かけて自宅隣の倉庫を改造し、
2011年3月に新しいスタートを切ったのです。
仕事を再開したばかりの宍戸さんに声をかけたのが、
仙台の編集プロダクション「シュープレス」。
シュープレスは、新製品の企画・制作によって東北の魅力を発信する
「つながるひろがる東北応援の輪プロジェクト」を行っており、
東京のクリエイティブユニット「kvina(クビーナ)」と
コラボレーションしたトートバッグを企画。
理想のバッグをつくれる職人さんを、ずっと探していたのです。
そんな時、シュープレスのスタッフは気仙沼の復興マルシェで
宍戸さんがつくった帆布バッグに出会い、
バッグの隅々にまで徹底した、丁寧な仕事ぶりに感銘を受けました。
そうして始まった、両者のコラボレーション。
kvinaの提案したデザインを実現するため、
宍戸さんが「刺繍」と「染め」を使い分けるという工夫を行うなどして、
洗練されたバッグができ上がりました。
シュープレスとkvinaの、「大好きな東北を応援し続けたい」という思い。
そして気仙沼の宍戸さんの職人技によりでき上がった
「Amo estas Blua トートバッグ」。ぜひおでかけのおともに。