アンアンやハナコを刊行するマガジンハウスのWebマガジン「colocal コロカル」と「リンベル」による、
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筑後川と有明海に面し、肥沃で広大な筑紫平野を有する福岡県大川市。
ここはブランドいちご「あまおう」や有明海苔、そして木工家具の製造で知られるまち。
大川の木工家具は470余年の歴史と伝統があり、生産高も日本一。
「大川の婚礼家具」として全国的に知られている存在です。

しかし、時代の流れとともに、婚礼家具文化の衰退をうけて
大川の木工産業は徐々に下降傾向になりました。
昭和の全盛期には600軒以上あった工房も、現在では300軒ほどまでに。
そこで立ち上がったのが、大川商工会議所。
まちの職人たちに声をかけ、「大川コンセルヴ」という団体を立ち上げたのです。
コンセルヴとはフランス語で「保存食」の意味。
大川にストックされていた技術と知恵を「保存」して、
次世代を担う子どもたちに継承していく、という使命を持っています。
彼らのコンセプトは「食卓」。目的は「食育」と「木育」、
つまりオリジナルの木工品、食料加工品を提案していくこと。
赤ちゃんが初めて口にする木のスプーンをつくったり、
大川で採れた果物を使ったジャムをつくったり、
自由な発想でものづくりをしています。

このプロジェクトにおいて、パッケージデザインから
プロダクトのブランディングまで幅広く手がけるのは、
1978年生まれのアートディレクター/グラフィックデザイナーである
先崎哲進さん。自分たちの生活を見直し、
生まれ育った場所をよくしていくためのしくみづくりを目指して、
今日も大川コンセルヴの人々は木と食、そして人との関係を模索しています。