伝統を守る美濃焼のつくり手たちの組合「B-SIDE」
岐阜県の岐阜県土岐市、多治見市、瑞浪市、可児市を含む東濃地方は
「美濃焼」と呼ばれる焼きものの産地。
粘土などの原料や窯を焚くための燃料が豊富と、
いい焼きものをつくるための条件が揃っている美濃は、
なんと奈良時代から1300年という、日本でも最古の歴史を誇る焼きものの郷です。
そもそも5世紀頃に朝鮮半島から日本に入ってきた
須恵器の技術が、美濃に伝わったのは7世紀頃。
13世紀の鎌倉時代になると、古瀬戸と言われる陶器が多治見市で焼かれ始め、
その後16〜17世紀の安土桃山時代には、
千利休や古田織部らに代表される茶の湯文化の隆盛とともに芸術性を高め、
独創的な釉薬を使った「志野」や「織部」などの焼きものが生まれました。
そんな長い歴史を持つ美濃焼は、昭和5年(1930年)以降、
大量生産できる窯業にシフトしていきます。
現在では、陶磁器・タイル・セラミックなどを含め、
美濃焼の食器の生産量は全国シェアの50%以上!
和食器に至っては90%を誇るほど。
しかし、不況の風を受けた磁器業界において、
これまでのやり方を続けていては先が見えていると考えた地元の窯元の青年たち。
長い伝統と高いシェアにあぐらをかいてはいられないと、
9つの窯元が立ち上がりました。
それぞれが和食器、マグ、アクセサリーなどさまざまな器を扱う窯元の
青年たちのチーム名は「協同組合 B-SIDE」。彼らの共通認識は
「生産し、お客様を自ら探し出し、営業販売、流通にいたるまで
自前で行っていかなければ、10年先、20年先に明るい未来はない」というもの。
そんなまっすぐな郷土への想いを胸に、日々の活動に勤しんでいます。