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宮城県白石市の特産品である白石温麺は、400年もの歴史があるといわれており、
興味深い由来が残っています。
あるとき、伊達藩白石城下に暮らしていた鈴木味右衛門の父親が、
胃を病んで床に伏し何日も絶食を強いられてしまいます。
味右衛門は食べ物を一切受け付けない父の体を心配して、
何かよい食餌療法はないかと手を尽くしたところ、
旅の僧に油を一切使わない麺の製法を耳にします。
早速これを作って父に食べさせてみると、胃病は快方に向かい、やがて全快。
この孝行話が時の大名であった白石城の片倉小十郎公に伝わり、献上したところ、
温かい思いやりの心をたたえてその麺は「温麺」と名づけられ、
地場産品として奨励されるようになったのです。

白石温麺を看板商品とする、きちみ製麺の創業は明治30年(1897年)。
現在の麺のパッケージなどには釣り鐘のデザインが施されていますが、
吉見家は白石城主・片倉小十郎公の家臣として長い間仕えていたことから、
片倉家の旗印である「黒つりがね」をきちみ製麺のマークとして
使用する許しを得たのだそう。

きちみ製麺の温麺のラインナップは実に多彩。
定番の「つりがね(銀印)白石温麺」から、
もちもちとした弾力のある「金印白石温麺」、
麺生地が締まってパスタ風の「琥珀白石温麺」、「手延白石温麺」や
半年から1年ほど寝かせた「蔵出し白石温麺」など、
好みに合わせてさまざまなタイプの麺を選ぶことができます。
また温麺だけでなく、そばやうどん、素麺なども販売しています。