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横手やきそばの誕生は、昭和28年(1953年)頃までさかのぼります。
当時、横手市内で屋台のお好み焼き屋を営んでいた大阪出身の男性が、
同じ鉄板で焼ける新たなメニューを作りたいと地元の製麺業者にもちかけ、
試行錯誤の末に開発したのが、横手やきそばの特徴といえる太いゆで麺でした。
さらに改良を重ねると、鉄板やフライパンひとつでできるやきそばは大ヒット。
昭和40年代初期で、肉入りの並やきそばは20円程度。
味だけでなく手ごろな価格が、人気の秘密だったようです。

そんなやきそばブームも、食品衛生法の改正により
駄菓子屋などでの調理・販売が難しくなったのに加えて、
全国規模の大手メーカーが家庭用のやきそば麺に参入してきたことで、
一時的に衰退してしまいます。
しかし2000年頃から横手やきそばでまちおこしをしようという動きが徐々に活発化。
ゆで麺を使い、紅しょうがではなく福神漬けを添えるやきそばは、
地元の人にとっては当たり前でしたが、外から来た人には新鮮な驚きがあったのです。

三浦商店はもともと、稲庭うどんの製造・販売を行っていました。
横手市内のスーパーに飲食店をオープンし、
当初は稲庭うどんの専門店にしようとしていたものの、スーパー内という立地を考えて、
ラーメンや、なじみのあるやきそばをメニューに加えます。
横手やきそば暖簾会がB-1グランプリに出店するなどして、
横手やきそばの知名度が上がってくると、
オリジナルのお土産用商品の必要性を感じるようになり、
稲庭うどんの製造ノウハウのあった三浦商店が開発をすることに。
開発は難航し、商品化まで10年の歳月を費やしましたが、
家庭用やきそばセットは今では地域の特産品となっており、
ビジネスモデルとして全国からの問い合わせも相次いでいます。