京都西陣で実直にお酢を造り続ける老舗のこだわり
「孝太郎の酢」を製造・販売する林孝太郎造酢は、創業180余年。
京都西陣に創業以来構える趣きのある京町屋の建物は、
京都市の歴史的意匠建造物に指定されています。
もともとお酢は西陣織の色止めに使われていたため、
西陣にはたくさんのお酢屋がありましたが、現存するのは一軒のみ。
初代から数えて4代目である林孝太郎さんの時代に男の子がたくさん生まれたため、
暖簾分けをして、分家としてお酢屋を始めました。
入り口に掲げられているのれんには、ひし形のなかに
林の「や」の字が染め抜かれています。
孝太郎の酢は、昔ながらの手造り製法。
西陣のなかでもこの辺りは、茶道の家元が集う名水どころといわれ、
良質な地下水が湧き出ています。
その地下水と、厳選した国産米を使用し、
添加物や化学調味料、保存料などは一切使わずじっくり寝かせることで、
素材そのもののうまみと深い味わいが際立つ、
ほかには真似できないまろやかなお酢になります。
また「京あまり米酢」を代表とする伝統的な調味酢だけでなく、
「人参梅酢」「生姜梅酢」「紅芋梅酢」などの飲むお酢や、
とろとろの液体に濃縮した和風バルサミコ酢のような「食べやすい黒酢」、
有機レーズンを梅酢と米酢で漬け込んだ「朝のレーズン」、
それに沖縄県産ラム酒を加えた「夜のラムレーズン」など、
時代のニーズに合わせて商品アイテムは30種類を超えています。
さらに話題を呼んでいるのが、京町屋のノスタルジックな空間のなかで、
自分好みの味をつくることができる「Myぽん酢」づくり。
じっくり熟成させたお酢と一番だしを調合したベースに、
ゆずやすだち、橙など香り豊かな果汁を加えながら、好みの味に仕上げていきます。
味が決まったら、その場で瓶詰めをして、オリジナルラベルを貼っておみやげに。
しかも調合レシピを保管してもらえるので、
次回から電話で注文すれば同じ味を送ってもらうことができます。
3日前までの完全予約制ですが、京都観光の際に立ち寄ってみてはどうでしょう。