- 林 雄司/デイリーポータルZ編集部 デイリーポータルZウェブマスター 東京都出身。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。
- 大北栄人/ライター 大阪府出身。これまでポテトサラダ定食、ナンのでかさ、地コーラなどを取材。
- べつやくれい/イラストレーター 東京都出身。ワニ、ウツボ、ハダカデバネズミなど毛の生えていない動物を好む。
- 古賀及子/デイリーポータルZ編集部 東京都出身。好きな食べ物はミラノサンドC。夏みかんや空豆などは薄皮こそ食べる。
- 滝戸ドリタ/クリエイティブディレクター 東京生まれ静岡育ち。コーラとせんべいが源。
- 塚原加奈子/編集担当 茨城県鹿嶋市出身。りんごとカステラには目がない。
コロカルではTwitterを使った投稿企画を
好評連携中のデイリーポータルZ編集部が
コロカル商店で扱っている醤油と味噌をなめにきてくれました。
商品は、秋田県にある「石孫本店」の醤油・味噌詰め合わせと、
こちらも秋田県にある
「ヤマモ味噌醤油醸造元」の 6品+トートバッグセットです。
このなかから6品をピックアップ!
なめてなめてなめまくり、その味わいを一番上手に言語化した人が勝者!
のはずだったのですが。事態は意外な展開に。
「醤油編」
①ヤマモ味噌醤油醸造元「あま塩しょうゆ」
醤油じゃなくて、餅?!
あと、なんで裸なんですか?!
ヤマモを代表する看板商品「あま塩しょうゆ」を見る。こちらは塩分控えめで、ほんのりとした甘みがあるのが特徴。
林: すみません。
塚原: 今日は醤油と味噌のなめ比べをやっていただきます。6種類をひたすらなめ続けるなめ比べマラソンです。
基本的にはなめるだけですが、あまりに辛いときは給水として水や食べるものも差し入れることになっています。一番豊かに味わいを表現した人が勝ちというルールです。
べつやく: あっ!
林: !
古賀: 林さん! 次また服脱いだら失格ですよ!
危なくふたたび全裸になろうとする林をいさめ、なめ比べを開始。
古賀: 餅のにおいがする。焼いた餅のかおりが。これ、餅でしょう。ねえ。
塚原: 醤油ですよ。
古賀: 醤油?
塚原: はい。醤油です。
古賀: も、餅じゃないんですか!
べつやく: あまいですね。
大北: あまい。最後があまい。
べつやく: 奈良漬けのかおりもしますね。
大北: あっ! ……ぼく、奈良の東通商店街で鹿においかけられて奈良漬の店に逃げ込んだことがあるんです。
べつやく: う、うん。
大北: そのとき鹿におしりをぺろんとなめられて……泣いちゃったんですよね。 懐かしいなあ(醤油を飲んで思い出に浸ろうとする大北)。
べつやく: あっ! ちょっと!
大北: 鹿がおしりをなめたんですよね(飲む)。
過去の記憶に混乱した大北が醤油を飲んだ。
林: 大北くん! 落ち着いて!
古賀: って、林さんも大北くん止めながらまた服脱ごうとしないで!
②石孫本店「みそたまり」
ホエイだというのは上手だが、
服は脱がないでください!
みそたまりは、味噌の発酵・熟成中に分離するわずかな液体で長期熟成する味噌からしかとれない。照り焼きや卵かけごはんにもオススメなのだそう!
林: 今日は朝ごはん食べずにきました。
古賀: 服を着ない理由にはなりませんよ。
林: だって腹が減っているんですよ?!(脱ぐ)
古賀: 意味わかんないですよ! 服を着てください! そして醤油をなめてくださいよ!
林: (しぶしぶ着ながらなめる)しょっぱい!
古賀: 本当だ、しょっぱい!
大北: これ、なめていいんですか?! なめるもんじゃないでしょう!
塚原: なめるものではないですよ。
大北: 給水! 給水を!
鋭角なしょっぱさにさすがに給水。
大北: これでいくらでもいける!(またも一気に飲む)
塚原: 1000キロの味噌からわずか10リットルほどしか抽出できないんだそうです。
べつやく: 100キロの人から出た1リットルの水だと思うと、貴重ですね。
林: ヨーグルトでいうところのホエイのような感じですね。
ドリタ: 上手!
古賀: とはいえ服は脱がないで!
林の無事の着衣に胸をなでおろす一同。
③石孫本店「濃醇むらさき」
醤油の醤油らしいおいしさ。
結果、着衣は乱れたか。
こっくりと濃厚な天然醸造の丸大豆醤油。仕込み水の代わりに本醸造醤油を使って2年間かけて熟成されている。
古賀: しょっぱい!
べつやく: しょっぱい!
塚原: だから、醤油ですから。
大北: もう言うぞ。俺は言う。なにか食べるものをください!
一同、しずまる。
大北: 醤油に合うもの、きゅうりでも豆腐でもいいです。もう醤油を飲みすぎて喉も腹もひどいんです!
塚原: ……いいでしょう。
林: いいんですか! 今日は朝から何も食べていないんです。
古賀: (林が服を脱ぐのを制止しながら)、い、いいんですか?
思った以上にすんなり食べ物が供された。何か裏があるのでは……。
大北: (豆腐に醤油をかける)うまい……
古賀: うまいですね……
べつやく: 豆腐に醤油をかけてから食べて、そのあと醤油だけ飲むとすごくしょっぱいです。
BETSUYAKU: I eat over the soy sauce to tofu. After that, it is very salty to drink only soy sauce.
古賀: あっ! 当たり前のことなのに初めて知ったみたいなことを言ったばっかりにべつやくさんがでたらめな翻訳機に!
豆腐のうまさに べつやくさんの急変についてはスルーする林、大北。
大北: いやあ、うまい。
古賀: 林さん、服着てますか。
林: 着てまーす。
大北: そうだ、このタイミングでもう一度醤油を飲んでみよう。
BETSUYAKU: NO!
NO!
大北: (飲む)
BETSUYAKU: You die!
④ヤマモ味噌醤油醸造元「焦香」
肉の味のする醤油、
着衣のままで迎えた醤油なめ比べ最終の1品
醤油に地元の農家でとれたローリエ、セージ、バジル、にんにく、唐辛子を漬け込んだ「焦香」。香ばしい香りが立ちこめる。
BETSUYAKU: I have been drinking citron vinegar before.
古賀: citron vinegarってなんすかね。
BETSUYAKU: It's Ponzu.
古賀: べつやくさんはポン酢飲んだことがあるそうです。
大北: ほんまかいな(ぐっと「焦香」を一気飲み)。
古賀: あっ!
BETSUYAKU: OH! NO!
古賀: そんな醤油を飲むことについて対抗意識燃やさなくても。
対抗意識からの一気飲み、そして……。
大北: これ、肉ですわ! 牛肉ですわ!
古賀: わ、本当だ。なめるだけで牛肉だ!
大北: 肉! 肉!(ぐびぐびと飲みだす)
BETSUYAKU: Noooooooooooooo!
古賀: 林さんも参加してくださいよ。服脱げないからってすねないで!
林: (着衣のままで)これ、ふかしたじゃが芋にかけたらぜったいうまいよ。
古賀: あれ、服脱げないからって、なんか急にまともになった。
脱げないストレスからまじめになった林。
古賀: みなさん無事に醤油をなめ終えたということでおつかれさまでした。まさか林さんが着衣のまま最後まで立ち会ってくれるとは思わず、嬉しい限りです。
醤油マラソンの表現力勝者としては、奈良での鹿による性のめざめを試食の感想として披露し、かつ醤油を飲み続けた大北さんで異論ないでしょうか。
一同:賛成です。
大北: ありがとうございます。一番しょっぱい醤油持ってきてください。飲みます!
古賀: では、続いて味噌へ行きましょう。味噌は2品です。
勝者は醤油を飲み続け性の目覚めを語った大北!
「味噌編」
①石孫本店「吟醸孫左エ門味噌」
すみません! うそをついていました。
そして味噌はアイスに乗せる時代へ
添加物を一切使用しない天然醸造。さらにこちらは米麹を大豆の2倍使ってまろやかな甘みある味噌。
古賀: あの、すみません。この対談なんですが、ここまで味の感想以外はほとんど嘘じゃないですか。
林: 服脱いだりとかですか。
古賀: はい。林さん、実際は服脱いでないですよ。一糸乱れてないですよ。
大北: ぼくだって飲んだ醤油は5mlくらいですよ。それがここまでで100mlくらい飲んだみたいになってますね。
べつやく: わたしも英語で「No!」とか「You die!」とか叫んだことに。
古賀: 少しでも読者のみなさまに楽しんでいただきたくて、どうしようどうしようと思いまして。うそを書いておりました。味噌編は普通に書いていいですか。
塚原: ぜひそうしてください。
すみません、服はずっとちゃんと着ていました。
べつやく: こうして盛るとちょっとしたデザートみたい。
古賀: (なめる)えっ、これ、なめるだけでかなりおいしい。
べつやく: 本当だ、おいしいおいしい。
林: あまい。レーズンの味がしますね。
塚原: 原材料はお米と大豆と食塩のみです。
大北: レーズンはいってないの!
塚原: 味噌ですからね。
林: コロカル商店でケーキの代わりに売ったらいい。
大北: バースデー味噌、いけますよ!
べつやく: 豆腐の上にこの味噌を生クリームみたいに飾れば完璧。
林: サーティーワンみたいにコーンに盛ってもいい。
べつやく: あ! これ、絶対バニラアイスに合いますよ。
塚原: アイス、持ってきます。
大北: あんの?!
アイスが登場。
べつやく: うまい。うまいうまいうまい。うまい。
古賀: うまい、うまいうまいうまい。
大北: すげえ。
林: わっはっは。
古賀: チーズケーキっぽくないですか。味噌のつぶつぶがチーズケーキの土台のクッキーみたい。これ、この味噌じゃないとダメですかね。うちの味噌じゃダメなのかな。
べつやく: これ、こうやって食べるものなんじゃないですか。味噌汁とか作ってる場合じゃない。アイスに乗せるために開発された味噌。
古賀: これは売れるぞー。
林: 「アイス用味噌」って売り出して全然売れないといい話になるのに。
塚原: 「アイスに混ぜる味噌」というアイス専用商品はすでにあるようですが……。
古賀: 戦える! 戦えますよ! 既存商品と!
“味噌混ぜアイス”がうますぎてもう笑うしかない。
②ヤマモ味噌醤油醸造元「雪解け」
もう味噌はみんなバニラアイスに混ぜるといい
糀の比率を上げて低温熟成をさせた、ヤマモの味噌「雪解け」は日本酒のような吟醸香で味わいはクリーミー。
べつやく: こっちのほうが粕漬けっぽい味わいがある。酒っぽい。こっちも甘いですね。
大北: レーズンっぽさはない。
古賀: ラムっぽさはあるかな。
大北: 食感がもちもちしてる。
林: きゅうりに付けるとチョコレートっぽくならない?
大北: ああ、ダークチョコレートっぽいですね。
べつやく: 香ばしいんじゃない。
本当は醤油編もこれくらいまじめに試食していました。
べつやく: アイスのせ、こっちの味噌もこれはこれでおいしい。
古賀: さっきのがチーズケーキだとしたらこっちは塩キャラメルっぽい。
べつやく: 味噌はもう全体的にバニラアイスに合うんじゃないの。
林: 味噌アイスって巣鴨にありそう。
べつやく: 基本的な部分だと、こっちのほうがしょっぱくて味噌っぽい。
大北: 味噌っぽいですよね。
塚原: 味噌ですからね。
そういえば味噌なんだった!
古賀: まったく忘れていましたが、今回の試食会は「なめ比べマラソン」っていう趣旨だったんですよ。
ドリタ: 途中で虚偽の全裸騒動やら醤油一気飲み騒動があったので忘れていましたね。
古賀: 味噌編はバニラアイスと合わせて食べることを思いついたべつやくさんということでよいでしょうか。
一同:賛成です。
アイスに味噌を乗せることをひらめいたのは本当にすごかった。
-
ヤマモ味噌醤油醸造元 6品+トートバッグセット
6,295円(税込)
●内容量:あま塩しょうゆ・あじ自慢・白だし各300ml、雪解け300g、肉味噌85g、焦香120ml、トートバッグ付
●ハコサイズ(約):34×23×10cm
というわけで、参加者一同、
終始なごやかに味噌と醤油をなめ比べたのでした。
改めて、全裸だと嘘をついた件についてはお詫びし、
本記事を終わりたいと思います。
古賀: 林さんが全裸にゼッケンだけつけて登場しちゃったんで服を着てもらっていました。遅れてすみません。はじめたいと思います。