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ものづくりのまち富山県高岡の鋳物メーカー「高田製作所」。
高岡は漆器と銅器というふたつの伝統工芸産業で知られるところです。
高田製作所は1947年に創業し、仏具を始めとした銅器をつくっていました。

堅実な仏具メーカーだった高田製作所を変えたのは、現・常務取締役の高田晃一さん。
毎年数パーセントずつ売り上げが落ちる仏具の世界を垣間見た高田さんは、
デザイナー、技術者として高田製作所をテコ入れします。
まず、真ちゅうしか扱っていなかったところを、アルミ、錫と銅と白銅をも扱うように。
そして、現代的なデザインとコンセプトを据えたプロダクトを
製作所から発信していきました。

2004年には、世界的に知られる国際家具見本市、イタリアの「ミラノサローネ」に、
フラワーベースなどの自作プロダクトを抱えて飛行機に乗り込み単独出展。
その成果が認められ、日本のセレクトショップにも、逆輸入的に
高田製作所のプロダクトが置かれるようになったのです。
2009年には錫製品のブランド「SHIROKANE(シロカネ)」を生み出し、
ビアカップや箸置き、アクセサリースタンドなどを展開して
人気を集めるようになりました。

高いデザイン性を持つ錫のプロダクトをつくることができるのは、
たしかな技術があってこそ。
高田製作所では主な製造方法として砂型鋳造を行っています。
原型とその周囲に砂を手作業で押しつけて砂型をとるところから始まり、
千分の1ミリ単位の高度な計算、ふたりがかりで金属を型に流しこむ注湯作業、
すべてが手作業。造形や仕上げ加工、そのどれもが経験によって積み重ねられた
高い技術と体力を要するものなのです。

高岡は、地域全体として“ものづくりDNA”が盛り上がっているまち。
切磋琢磨し続けている高田製作所の職人たちが、その熱気を支えています。